ゲームハードの高性能・オンライン化に伴って、それを操作する周辺機器も進化してきた昨今。
その中でも公式ルールに抵触する可能性や他プレイヤーとの公平性を著しく損なうデバイスについて紹介する。
連射コントローラ
まずは皆さんが想像しやすい連射機能付きコントローラ。
長くゲーミングデバイスを提供してきた老舗のHORIや強烈なハードウェアでお馴染みのサイバーガジェットから多くリリースされている。
連射機能の多くは”ターボ機能”と呼称されることが多く、スイッチでON・OFFするタイプが多い。
サードパーティ製のコントローラだと結構普及されていたりする。なので知らずに購入する人も中に入るだろう。結構便利だしアリかも。
連射機能がもたらすeスポーツへの影響
本記事では禁止デバイスなので、それが連射コンにも当てはまるか考えてみよう。
通常の人が1秒間に連射できるのは大体12回位。痙攣押しやスクラッチでの連射であれば14~16回も不可能ではないはず。
そこでターボ機能を使った連射回数に注目すると20回とか可能なモデルを散見する。(高橋名人のモデルはあくまで16に拘っているようだが)
15回前後の人力を20回に変えると確かに有利になる場面があるかもしれない。
それは精密なボタン入力を認識するハードであること(連射を長押しと認識されないこと)、そしてその連射が何らかの効果としてダイレクトに反映されるゲームシステムであることだろう。
格闘ゲームの相手の技の合間に差し込む暴れや、連打によってダメージが伸びる技などが恩恵を受けるだろう。音楽ゲームは長いバーの間に連打すればするほどスコアが伸びる譜面で有利になるだろう。
格ゲーの超大型大会のEVOを初めてとして、各大会で禁止とされていることが多い。
連射機能自体が及ぼす影響を考えると納得。オフラインで他人に影響のない範囲で使う分には便利だし良いと思うぞ。
コンバータ
FPS分野で最も狡いとされるハードウェアはマウスコンバータだろう。
これは家庭用を中心としたコントローラ(以下略Pad)使用時におけるAIMアシストを悪用するデバイス。USB等の変換機そのものをコンバーターと呼ぶ。
元来マウス程の精密射撃が難しいPadの救済策としてAIMアシストが生まれたわけだが、それをマウス使用時に付与させるのが目的。
ハードウェア側ではコントローラーとして認識させるが、実際はマウスを使用する。移動も考慮してキーボードも同時に認識させるものが主流。
CODではかつてより存在したが、最もその注目度・影響をもたらしたのは言うまでもなくApexだろう。
このタイトルはキーボードマウス(以下略キーマウ)とPadが混在できるシステムで、勿論Pad側にはAIMアシストが付与されている。こいつでランクマッチを荒らされ嘆くプレイヤーが数多存在する。加えてコミュニティ大会でも使う輩がいたりと酷い始末。
Apex公式からコンバータの仕様は禁止と明言されているので。絶対に使用しないように。他タイトルも公正性を失うからダメです。
特定のレバーレスアーケードコントローラ
昨今人気の格闘ゲーム考えると、アーケードコントローラ(以下略アケコン)も外せないだろう。
かつてのアケコンといえばスティック一本と複数ボタンのものが主流であった。
格闘ゲーム自体がアーケード由来で、その筐体環境を家庭でも楽しめるように発売されたのが起源。スティックによるシームレスな操作と弱中強のパンチ・キックボタンで様々な操作を可能とした代物。私の学生の頃はリアルアーケードプロが流行っていた。(これもHORI製)
しかし時代は変わり、レバーのない所謂レバーレスコントローラが台頭してきた。
古の格ゲーマーなら苦ともしないレバーも不慣れな人には操作間で一歩遅れを取ってしまう。しかしこのレバーレスであればその心配はいらない。
それ以上に古の各ゲーマーの上澄みともされるプロが挙って使っているのもまた事実。それはフレーム単位で鎬を削るプロならではのチョイスともいえよう。
しかしかつてはこのレバーレスを始めとしたアケコンに厳密がルールがない故のハードウェア格差が生まれており、それが明言化・禁止されている現在。
レバーレスやアケコンの概要を述べたところで、禁止されたものを見ていこう。
ガフロコン
レバーレスの明確なルール化の契機となった、禁断のハードウェア、通称”ガフロコン”。
正式名称は”GafroBox”。語源は元プロゲーマーにしてコントローラ製作者のガフロ氏から来ている。
現在公式を含むあらゆる格闘ゲームの大会規則に引っかかるもの。禁断の代物。
禁止の理由は、「同時押しは後押し入力側を優先」「4方向の移動を5つ以上のボタンに設定」「同じ攻撃入力を複数ボタンに設定」に抵触する。
特に一つ目の後押し優先はあまりにも強力で、後ろ入力→前入力→前離しで前歩きをしながら一瞬でガード移行できるのがあまりにも強い。
ただこのガフロコンは「こういう仕様ですよ」「使ってもいいですか」と正々堂々と大会運営側に伝えており、決してガフロ氏が闇の武器商人ではないことをお伝えしたい。
禁止ルールの名言化かはウメハラ氏がcomboBreaker2019で使用したことだろう。
ガフロコンの経緯と製作者ガフロ氏についてよく知れる動画も貼っておく。
大会でなくともオンライン対戦なら…と考えている人はやめておこう。今は対戦履歴から入力履歴が見れる時代なので、超人的入力は有識者にすぐバレるぞ。
画面にシール
FPS分野において古くより伝えられし禁止技の画面にシール。
ゲームタイトルによっては歩き中や非ADS時に中央のレティクルが表示されないことがある。それを常に可視化できるように画面の中央にシールを貼るという古典的な技。
これにより非ADS時でも照準を合わせ、一瞬スコープを覗くクイックショットで倒す技が出来る。昨今では常にレティクルを表示しているタイトルもあるのでそんなに問題にはならないが、厳密にいえば禁止技だろう。
始末が悪いことに、モニター側でその機能を付けるメーカーも存在する。
まとめ
ゲーム公式コミュニティの規則に抵触するハードウェアデバイスを紹介してみた。
一人で楽しむ分にはいいかもしれないが、今はオンラインが主流のゲーム環境なので、特殊なデバイスを購入する前はよく調べてから使うように。
また、ここには列挙していないSUD+やマクロといったソフトウェア側の禁止要項もあるので、しっかり調べて他者の迷惑にならないプレイで楽しもう。
以上。