いつも偉そうに総評・回想記事を書いているがたまには企画ものもやりたいと思った。
そこでレースゲームのGT2で車種の比較をして遊びながら書いてみる。
レースゲーマーと車好きの諸君は楽しめるように善処するので良かったら最後まで読んでくれ。
企画の概要
今回はレッドロックバレーでどの車種が一番速いかを調べてみようと思う。以下に詳細をリスト化したので各自目を通すように。
- 車は全車フルチューン
- タイヤはスーパーソフト
- チューンはギア比と足回り、空力を少々変更
- 車種は速そうなものを完全なる独断と偏見で選定
- 1台のみのタイムアタック
- 約10周走ったベストタイム
- 走者は自分が人力で
- コントローラはPS3純正
となっている。出来るだけその車のポテンシャルを活かせるようにセッティング・走行をするが、いかんせん人力な上に大した腕前ではないのでご容赦を。
ゲームの性質上、リアの動きがピーキーなのでミッドシップを始めとした後輪駆動車はタイムの参考にならない可能性大。
検証対象となる車種
検証対象は速そうなのと面白そうなものを独断と偏見でチョイス。
せっかくなので軽くエントリー車を紹介しよう。
155 ツーリングカー
アルファロメオが産み出した生粋のレーシングカー(DTM)。レブリミットは驚異の16000回転だ。
絶対的なパワーやトルクは他のマシンに劣るものの、その切れ味鋭いレーシングエンジンと四輪駆動が武器だ。
RX-7 LM Edition
初代グランツーリスモでは鬼人の如き速さを誇っていたが、それはことGT2でも同じだ。
コーナリングが異様に速く、路面に吸い付いているのかとさえ感じる。パワーこそ控えめだが今回優勝候補筆頭だ。
S2000 GT1
RX-7 LMに並ぶ超高速コーナリングマシン。純白のボディが美しい。
感覚的にややFDにコーナリングは勝てるか怪しいが、同じ重量でやや馬力の面で軍配が上がる。様々なサーキットやレースで活躍しているS2はゲームでもその輝きが見せられるか。
カストロール無限NSX
やはりピュアな運動性能を求めるならミッドシップ ということでその中でも速そうなNSXのGTマシンをチョイス。
JGTCマシンなので総合力だとFDやS2に肉薄する持ち主だけに期待は大いに持てる。強いて言えばレギュレーションで定められたその重量がネックかと思われる。
ARTAゼクセルスカイライン
四駆大正義な本作で活躍しないはずがないGT-R。
その中でも用意できる範疇でスペックの高いものを用意した。扱いやすく私の腕でも性能を引き出すことができそうだ。
ダスカンスピード12
異次元の馬力とそれに似つかわしくない軽量ボディの組み合わせは正に”モンスター”。
800kg台の軽量ボディに819psの馬力を有する12は勿論優勝候補。入手条件の緩さに反して5000万と高額で売却できることもあって金策でお世話になった側面もある。
エスパス F1
ミニバンにF1のエンジンを載せてしまった怪物ミニバン。実際に作ったルノーの思想自体が”狂気“ともいえる。
馬力こそ立派だが、重量の重さは否めない上に、高い重心とミッドシップというめちゃくちゃな構成がとても扱えるような気がしない…。
エスクード パイクスピーク
995psととてつもないパワーよりも800kgと異常なまでの軽さが目を引く砂上のフォーミュラマシン。レギュレーションがあってないようなクラスの車両だとか。
出自が舗装路ではないことを考えると結果が読みにくいが、エントリー車No.1のパワーウェイトレシオで驚異の記録が見られるかもやしれん。
GT-ONE ロードカー
今回唯一のLMGT1車両。といってもレースカーバージョンは入手が面倒なのでロードカーをチョイス。
パワーウェイトレシオが1切りの数値上の強さに加えて、勝つ為だけに造形された美しい流線型のボディが織りなす究極の走りには期待しかない。
HKS R33ドラッグ
1000馬力超級の名実ともにモンスターマシン。どうみてもT-002がモデルになっている。
ドラッグマシン故にコーナーを苦手としているが、それでも余りある強大なパワーと四輪駆動のトラクションが残す結果に期待したいところだ。
HKSドラッグ180SX
上記のドラッグR33と同じ馬力を持ちながら、そこから更に300kg軽くなっている弩級のパワーウェイトレシオの持ち主。
しかしやたらとインセットしたタイヤからコーナリングには大きな不安を残す……。
リザルト
155ツーリングカー(結果)
7秒台と中々の好タイム?を残した。四駆で500馬力は乗りやすく、スタビリティとレーシングカー故の高いコーナリング性能を兼ね備えており、非常に操作しやすかった。しかしその超高回転型エンジンはパワーバンドが外れると少々モッサリとした加速が気になった。
RX-7 LM Edition(結果)
真打登場。PWRが1.7と控えめながらタイムは3秒台と中々狂った記録が出た。高速コーナーの速さが桁違いで、今回走らせた中で一番速く感じた。ダウンフォースを目一杯かけたからか、トップスピードは290km/hと本企画では遅い部類になる。それを踏まえた上でこのタイムだったことからこの後の展開も読めてくるはず。
S2000 GT1(結果)
続いてそのFDの対抗馬となるであると踏んでいるS2000 GT1。
ベストは5秒台とGTカー・LMではない車種ながら健闘はした。がFDのタイムと比べると2秒程離された結果だ。こちらはミッドシップ車なのかと錯覚してしまうほどに扱いが難しく、最終コーナーは最後まで納得いかなかった。
カストロール無限NSX(結果)
600ps台と控えめな馬力ながら6秒台を記録した。コーナリング性能が高く乗っていてそのポテンシャルの高さがすぐ感じられた。とはいえバンピーな路面上では、リアが容易に砕けてスピンする場面も多く、タイムのムラからもその扱い辛さが伝わるだろう。
ARTAゼクセルスカイライン(結果)
結果は1分08秒とまずまずだ。ストレートスピードが思った程伸びなかったのはダウンフォースを増やしコーナリングに寄せた結果かもしれない。安定して9秒付近で走れることからもそのスタビリティの高さは数字からも読み取れる。
レーシングカーとレーシングモディファイの違い
せっかくなので市販車改のレーシングモデファイR34で走ったが結果は3秒離された。
ゲームの仕様なのか最初からR印が付いたレーシングカーの方が速いのでは…?という疑念がまず生まれた。とはいえトップスピードは309km/hとチューニングカー出自の意地を見せた。
ダスカンスピード12(結果)
流石は名実ともに”スピード”の名を冠するスピード12だ。タイムは0秒台と上記の車たちを置いてきぼりにする信じられないタイムを叩き出した。ホイールベースが長いように見受けられるがそこはやはり後輪駆動。扱いはもちろん難しくスピンしないように走ることで一杯だった。逆に言えばスピンさえしなければ容易にすばらしいタイムを叩き出すことが出来ることも12の魅力の一つだ。
エスパス F1(結果)
重量1300kg台とエントリー車の中で最重量を誇りながら6秒台に入れることが出来た。車体の跳ねが気になりMRのピーキーさも持ち合わせていながらも、同じ駆動方式の中にあって比較的走りやすい部類であった。それ以上にF1エンジンのトルクフルな乗り味は爽快で、超高回転型の155と違って全域で扱いやすいエンジンはやはり魅力的だ。
エスクード パイクスピーク(結果)
57秒6
速すぎる。パワーウェイトレシオNo.1に4WDとこれでもかというパッケージが見せる走りは桁違いだ。4WDながらもやや扱いにくさを感じたのは995馬力故だろうか。それでも分切りを連発した突き抜けた速さに勝てる車はいるのだろうか。
GT-ONE ロードカー(結果)
純然たる戦闘マシンTS020ロードカーは2秒台と凄まじい速さを見せた。厳密に言えばレーシングカーではないが、その圧倒的なフォルムから生み出すコーナーリングフォースと1000馬力近いパワーが産んだ結果だろう。とはいえセクターによってはFDとそこまで変わらない。決定的な差は356km/hと伸びに伸びまくったトップスピードだろうか。ただしストロークの少なさからか、やたら運転しにくかった。
HKS R33ドラッグ(結果)
かなり虚しい結果になった。曲がらない止まらないが酷くひたすらに加速するだけのマシンだった。とはいえこれはドラッグマシン本来の姿なのでこの結果には納得。強いて言えばトップスピードはもう少し伸びてもよかったよな……。
HKS ドラッグ180SX(結果)
異端の中の異端。R33に比べて加速力がもう一段上で凶暴さでは右に出るものはいない。何とか10秒切りを果たせたのはやはり、爆発的なターボパワーが産み出すトップスピードのおかげだろう。360km/hと不動の直線番長っぷりを発揮しており、6速に入れても伸び続けるパワーは刺激的であった。
結果一覧・考察
車種名 | ベストラップ | 最高速 |
---|---|---|
エスクード | 0:57.697 | 352 |
スピード12 | 1:00.996 | 331 |
GT-ONE | 1:02.315 | 356 |
RX-7 LM | 1:03.806 | 290 |
S2000 GT1 | 1:05.852 | 296 |
エスパスF1 | 1:06.580 | 284 |
NSX(JGTC) | 1:06.992 | 292 |
R34(JGTC) | 1:07.786 | 296 |
155(DTM) | 1:07.812 | 284 |
ドラッグ180SX | 1.09.878 | 360 |
ドラッグR33 | 1:16.212 | 318 |
エスクードは圧巻の分切りを連発していた。やはりパワーウェイトレシオの低さは大正義……と言いたいがそれだけが=速さでは無かったことが面白い。特にPWRの数値に反して3秒台を出したRX-7 LMの速さが光る。
今回は高速コーナーと直線ばかりのサーキットだった故にこのような結果になったが、Rのきついコーナーが多い所やシアトルの様に角ばって尚且つ高低差が激しいコースでは全く違う結果になっていたのだろう。それでも常に上位にRX-7LMがいると想像できる程にバランスの高さが素晴らしかった。
ハイパワー+4WDが大正義とバンダナランエボマンがイキりちらすであろうグランツーリスモ2の色が出ると思われたが、ここ一発の速さはミッドシップが優位に立ちがちな結果であった(ダークホースのエスパスF1もその一台)。それはレッドロックバレーで走ったからということはあるが、ラインが決まれば確かにスイスイ曲がった。しかしパッドで人力だとこのクラスは非常に辛いので対人戦や耐久レースでは大人しく4WDをチョイスすべき。
総括
数値と乗りやすさから予想しており、スピード12かGT-ONEが一番速いと思っていた。というのも後作のGT3からはエスクードがやたら曲がらない味付けになっていてその印象が強かったからだ。がGT2をやり込んでいた人達に言わせてみれば当然の結果だとか。
後はFDvsS2000の結果もワクワクしながら走ったり、ドラッグ180sxでタイムを出すために目の色を変えて挑むなど多種多様な刺激があった。
今更こんな古いゲームで……と当初は思っていたが、無心で遊んでいたゲームも少し深掘りしてみると新たな発見が出来たことは面白い。それも20年以上前ながらも完成度の高い作り込みのタイトルたる魅力の一つなのかもしれない。
以上。