概要
2001年ゲームキューブ用ソフトとして発売された。本作は半年前にドリームキャストで発売された物の移植版で、2人対戦や画質の向上、GBAとの連動機能が追加されている。
後にPS3とXBOXでHD版がリメイク販売され、何かと露出度のある作品だ。
SEGAの看板タイトルのソニックだが、本作は10万本ちょっとと少々物足りない記録だ。
とはいえ間違いなく面白く、誰にでも進められるとっつきやすさと遊び応えがあり、ニッチなタイトルばかり紹介する当ブログでは珍しい記事になってるぞ。
ゲームの総合的な仕上がりが半端なく、20年経った今でも十分楽しめるほどの魅力をもつ。これをもうレトロゲームと括ってしまうとなると、相当に現代のゲームに求められているものが高いとも言えよう。
疾走感抜群
とにかくスピード感が素晴らしく気持ち良い。ソニック・シャドウではグラインドによる滑走・ホーミング・ライトアタックの組み合わせで飽きることはない。
ゲームスピードの早い作品は幾らでもあるが、複数の選択肢から取捨選択しつつこの域の疾走感を実現できているところが他と一線を画すところだろう。
初っ端のシティ・エスケープからそれはビンビンに伝わるし、終盤の難しいステージにおいてもこの点を一貫して作られているデザインこそが、ソニックの息の長いヒットの要因ともいえよう。
ストーリーが良い
物語がヒーロー・ダークサイドに別れていて、どちらも質・量ともに当時のゲームではかなり優れている部類に入る。
悪には悪たる所以が深掘りされているし、何ならシャドウのストーリーは後作の”シャドウ・ザ・ヘッジホッグ”に繋がる程の広がりを見せている。
というかシャドウがダークヒーローとして魅力的過ぎる。厨二病な印象を受けがちだが、彼に彼なりの戦うバックグラウンドがある。
個人的にシャドウのズシりと重いストーリーに対して、主人公のソニックが軽く感じてしまうのが少々惜しい。
やり込み要素が豊富
ストーリーを通してクリアする以外にも豊富なやり込み要素も外せない魅力だ。
各ステージでも探索・タイムアタックやスコア、ギミックの変化を加えたハードモードがあり、それのクリアランクAを目指すのも楽しさの一つだ。
闇雲にスピードを求めるのではなく、リングの回収・トリックの成功・敵の連続撃破などを加味した上のスコアが判断基準になっている。ステージの熟知は勿論、正確かつ迅速なアクションが求められるので極めがいが大いにある。
エンブレムという概念があり、それをコンプリートするのにはオールAクリアをしなければならないが、これが存外やり込んでいても難しく奥深い。
スピード!スピード!だけかと思いきや、チャオガーデンという育成ゲームの要素もありまったりと楽しむことが出来る。そういった広く・深くがこのゲームの真髄かもやしれない。
絶妙な難易度
難易度はとっつきやすく、それでいながら後半に向けて徐々に難易度が上がる。しかしそれは進行と共にプレイヤーの腕前が上がることを見越してデザインされている。なので難しく感じても何度かトライしていれば突破できるように出来ている。
それでいながらその先を求める前述のやり込み要素も用意されている。万人にもゲーマーにも対応している幅の広さは流石SEGAの”看板タイトル”だけある。
充実の対戦要素
無印ソニアド2と違う一つのポイント。アクションステージ・レースで対戦が出来る様になっている。
前者は1人用のステージをコンパクトかつ2人用で遊べるように細かくリファインされ、細部の作り込みに感心させられる。
勿論互いのテクニックやスピードで勝負することになるが、対戦専用要素の必殺技が用意されている。離れた敵にも攻撃できたり、時間を一時的に止めて勝負の行方を変えることが出来るスパイスも加えられている。
レースでは普通のカーレースゲームとして遊べるし、互いに育てたチャオ同士を戦わせるチャオカラテ・チャオレースも備えている。
伊達にタイトルに”バトル”名を冠していない。ソニックの楽しさを存分に落とし込んだ柔軟な作り込みには脱帽だ。
グラフィックが良い・ロケーションが彩豊か
グラフィックがすこぶる良く、発売から15年以上前ということを鑑みると恐ろしささえ覚える。ハード面でいうとグラが良いとされたPS2がライバルだが、GCの方がグラフィック良くね?と感じたタイトルでもある。(マリオサンシャインでも同じことが言える)
実際マシンパワーが良かったらしいが、それを活かして美しい描写を可能としているのはやはり、大企業”SEGA”の実力だろう。
で本作のグラフィックの良さもさることながら、多種多様なロケーションもソニアド2の魅力だ。街・海・砂漠・密林に宇宙と多岐に渡るが、その一つ一つの質も高く粗が見当たらない。
個人的な好みはメタルハーバーだ。海上の航空基地をモチーフとしているようだが、滑走路や飛行機、はたまたロケットも設置されている。それでいながら美しい海と可愛らしいカモメが印象の素敵なステージだ。
現代はオープンワールドでマキシマムな作品が多いが、20年経った今でも、それらと勝負できそうな程に時代の先端を走っていた。
BGM・挿入歌が良い
音で存分に楽しめる点もソニアド2が名作と呼ばれる所以だ。それは一時期サウンドアルバムが数万円で取引されていたことからもわかる。尚現在はsportify等のサービスで配信されてるから手軽に試聴出来るぞ。
テーマソングはCrush40の歌うLive & Learnはめちゃくちゃかっこよくオシャレだ。同じSEGAのゲーム”PSO2″とのコラボでこの曲が流れた時は思わず大興奮した。
BGMの良さは起動してすぐのEscape The From Cityで皆も気付くはず。
対を成すダークサイド序盤のVengeance Is Mineも暗めのステージと疾走感をより引き出している。
That’s The Way I Like Itは皆んな大好きメタルハーバーのBGMで、朗らかかつ海上を舞台としたステージに非常にマッチした爽やかな一曲だ。エレキギターが弾ければ是非奏でたい。
そしてゲーム内で一番人気かも知れないWon’t Stop, Just GO!はBGMを語る上では外せない。硬派なエレキの音色も素晴らしいがリズミカルなドラムが最高に気持ち良い。
そして私が一番好きなBGMはSpace Trip Stepsだ。ステージは少々煩わしく好きになれないが、この一曲はどこかグラマラスで色気を感じる。
そして終盤にさしかかるとファイナル・ラッシュで流れるBGM…..も素晴らしいが、その後にvsシャドウ戦で流れるドラムンベースをあえて推したい。不穏さとカッコよさの両面を持つ不思議な1曲だ。
終盤ならむしろファイナル・チェイスのBGMを勧めたい。以前愛車のサブウーファーを全開にして聴いていたくらいに愛している。
おまけになるがチャオガーデンの曲も聴いてみて欲しい。カッコよさや疾走感だけでなくこういったのどかなBGMを作曲できるソニックチームの創造力には脱帽してしまう。
キャラがフルボイス
どのルート、どのキャラも皆ボイスが付いておりよく喋るのだ。
発売が2001年だということをもう一度思い出してほしい。あの当時にそんなにボイスが付いたゲームが他に存在しただろうか。
演じる声優によってレベルが違う等の賛否両論こそあるが、字幕を読まされる感じは一切なくスッと物語が入り込んでくる。この辺りは最近のゲームの方がすごいかもしれない。
が忘れてはいけない。これは20年前のゲームだ。
軽微なバグがある
これ程の自由度があるので軽微なバグはいくつか存在する。もうしょうがないとは思うが。
とはいえ進行に悪影響を及ぼすものは皆無で、相当やり込まないと気付かない点ばかりなのでそんなにマイナスではない。
あえてこの点を利用して未だにTAS・RTA界隈ではたまに更新するニュースが飛び込んでくる。なのでバグはこの先さらに発見されることだろうが、通常プレイでは問題ないのでこの点は眼を瞑ろう。
探索ステージが怠い・難しい
これはナックルズ・ルージュ全般のことだが、エメラルド探索のステージがどうしても他に比べると冗長で煩わしく感じる。
バカ広いステージを自由に飛び回れると考えれば悪くはないが、それはランダムに配置されているアイテムを3つ集めるクリア目標と組み合わせると時折ものすごく面倒で難しく感じる。
ただしこういったステージにも隠し要素が仕込まれているので、肩ひじ張らずに遊んでみると実は面白いことも。
振り返り
今回キャプチャを取得する為に起動してみたところ、記事の事をそっちのけで楽しんでしまった。
何度も言うように20年前のゲームでありながら、完成度は今でも目を見開かされるものがある。
後発ソニックも遊んでみたいところだが、ソニアド2自体まだまだやり残したことがある。今後もチョコチョコ触って何かあったらこの記事をブラッシュアップしつつ楽しんでいきたい。